こんにちは、皆さん! 中国ドラマ「鶴唳華亭」は、視聴者の心を深く揺さぶる壮大な物語です。皇帝と皇太子の確執、すれ違う愛、そして陰謀による悲しき運命が交錯するこのドラマは、涙なしでは見られません。
物語の中心にいるのは、父親からの愛を得られず、孤独と戦う皇太子・蕭定権と、蕭定権が初めて見初めた女性・陸文昔。二人の想いは、宮廷内の陰謀によって次第に暗転し、幾度となく試練にさらされます。
二人がどのように運命に翻弄され、どのように試練を乗り越えてゆくのか、その一部始終が描かれます。
今回は、涙と感動の連続で見終わった後には心に深い余韻が残るドラマ「鶴唳華亭」の魅力を振り返ってみたいと思います。
「鶴唳華亭」予備情報
「鶴唳華亭」は、2019年に中国で放送された歴史宮廷ドラマです。陰謀に振り回される南斉国の皇太子・蕭定権と陸文昔の切ない愛、そして皇帝と皇太子、親子の確執を描いた全60話の物語です。
【スタッフ】
監督:ヤン・ウェンジュン
脚本:シュエマン・リャンユエン
【キャスト】
皇太子 役:ルオ・ジン(王女未央BIOU・美人心計)
陸文昔 役:リー・イートン(海棠が色付く頃に・大唐流流)
顧逢恩 役:ジェン・イェチョン(酔麗花・太陽と月の秘密)
斉 王 役:ジン・ハン(ミーユエ・楚喬伝)
「鶴唳華亭」ざっくりあらすじ

政略結婚での皇后の嫡子・蕭定権は、皇太子の地位にありながら、幼い頃母を亡くし、皇帝である父から寵愛されることなく育ちました。
一方、皇帝が寵愛する側室・趙妃の子である兄の斉王・蕭定棠は、皇帝に愛され甘やかされて育ち、母子共々皇太子の座を虎視眈々と狙っていました。
蕭定権の師である蘆世瑜は、皇太子妃候補に陸家の陸文昔(りくぶんせき)を紹介します。顔は見えぬまま初めての出会いでしたが、山水画をきっかけに、蕭定権は彼女に強く引き付けられるのでした。
◆ ◆ ◆
兄の斉王は、重臣・李柏舟と策謀を繰り返します。冠礼の儀式での殺人事件、科挙での不正事件、陸家に謀反の嫌疑。その度巻き込まれる蕭定権は、父である皇帝の不況をかうことになってしまいます。
蕭定権は陸家を救うため陸文昔を諦め、皇帝の命により、意に染まぬ張家の張念之との婚姻を受け入れます。
陸文昔は冤罪で捕らわれた父と兄の安否を求め、侍女として宮中に入り込み、顧と名乗り、蕭定権の妃となった張念之に仕えます。陸文昔にとっては複雑な心境ですが、張念之の人柄に心を開きます。
蕭定権は妻の侍女となった顧内人が、想い人の陸文昔だと気づきませんが親しみを覚え好意を持ち始めます。
◆ ◆ ◆
軍馬密売事件が起き、またもや蕭定権は苦境に立たされます。事件を利用し、陸家と確執のあった張家の張陸正は、悪辣にも陸文昔の父と兄を処刑に至らしめてしまうのです。
悲しみにくれる陸文昔。更には皇太子妃・張念之が趙妃の宴の席で毒殺されてしまいます。皇帝は黒幕を知りながら、王室の体面を考え公にしません。
陸文昔は蕭定権との信頼関係を築きながら、しかし誤解も生じ、お互いを大切に思いながら心はすれ違いの風も吹いているのでした。
その後、陸文昔は一計を案じ、蕭定権の名を使い偽の手紙で仇の張陸正を追い落とすことに成功します。が、ここでも蕭定権が関与し皇帝の怒りをかってしまいます。
◆ ◆ ◆
国境では敵の攻撃で危機に瀕しているにもかかわらず、皇帝は顧家が率いる軍を牽制するため、蕭定権を擁護する伯父・顧思林と息子の顧逢恩を都へ呼び戻しました。
顧思林は皇帝から罰を受ける蕭定権を守るため戦地へ戻ろうとしません。蕭定権は自分を廃太子にしてもよいから、早く二人を前線へ戻すよう懸命に皇帝へ上奏します。
蕭定権の国を想う強い気持ちに、自らの不徳を悟った皇帝は、今までの仕打ちを詫び、繰り返し陰謀を謀った斉王に対し、辺境の地へ送る命令を下すのでした。
最後の最後で、罪を解かれた顧内人が、実は最初に見初めた陸文昔その人だと確信した蕭定権は、未だまみえぬかの人に会いにゆくのでした。
「鶴唳華亭」見どころ・感じどころ

「鶴唳華亭」は、宮廷内の陰謀と確執に翻弄される孤独な皇太子・蕭定権、そして叶わぬ愛を胸に秘め親の仇を討とうと辛抱強く耐える陸文昔の過酷な運命を描いた話題作です。
◆タイトル「鶴唳華亭」とは?
「華亭」は地名、「鶴唳」は鶴の鳴き声を表し、「鶴の鳴き声が華亭に響く」という内容を、詩的に表現したタイトルが「鶴唳華亭」です。
ちなみに、似た文字の四字熟語で「華亭鶴唳」という表現があり、栄華を極めた昔のことを懐かしみ、衰退した現状を嘆くことを意味しています。
これは、中国東晋の時代の陸機が、讒言によって処刑される寸前に、故郷である華亭で鶴の鳴き声を聞く楽しみを思い出して嘆いた、という故事からきているものです。
◆情感・抒情感溢れる映像
主人公である蕭定権にも陸文昔にも次から次へと理不尽な出来事が起こり、二人の境遇に胸を痛めながらも、緊張感が続いた先にはどんでん返しがあったりと目が離せない展開です。
父親である皇帝と蕭定権の確執も見逃せません。冷酷非情な皇帝と、従順で純粋な皇太子が対照的に描かれ、権力と情の狭間で揺れ動く人間ドラマが浮き彫りにされます。
多くの度重なる苦痛と困難に出会う蕭定権と陸文昔、その忍耐は大変なもので、感情移入しながら引きつけられることま違いありません。
また中国ドラマならでは、物語に擬えて運命の二人をつなぐ山水画や、漢詩が随所に読まれ、作品がより抒情感豊かなものになっています。
ラストはまるで冬のソナタのよう、雪が舞い降りる素敵なラブロマンスシーン・・
◆感性豊かなキャストの熱演!
主演は、「王女未央-BIOU-」で共演した女優のティファニー・タンとの結婚でも知られる中国の人気俳優ルオ・ジンさん。皇位継承争いに翻弄され、皇帝である父親との確執に葛藤、また想い人とのすれ違いに苦悩する切ない皇太子を熱演。初めから終わりまで、情感豊かな演技力に引き付けられます!
知的で凛として美しいヒロイン、リー・イートンさん。何度投獄されても挫けず、復讐への決意と、皇太子・蕭定権への想いを秘める苦しさと、真に迫る演技は涙無くして見られません。過酷な運命に翻弄されながらも、つながっていた絆、最後はハッピーエンドで良かったー。
「鶴唳華亭」から汲み取る人生哲学・心の糧

「鶴唳華亭」のドラマは、切なく泣かせられました。人間関係や情愛など人生における様々な試練と喜びを描いたこの物語には多くを教えられます。
「鶴唳華亭」に登場する人物たちは、直面するさまざまな困難に翻弄されながらも、確執や情愛での葛藤を通じて、人としての在り方を問われます。
人間関係は決して簡単ではなく、時には忍耐や努力が必要ですが、その結果として人との関わりが果たす役割の大切さが分かり、そこに絆が生まれることが示唆されます。
人生が困難な状況に直面したときにも決して諦めず、それらを乗り越えようと努力する精神を持つことの重要性が示されます。そんな時こそ、一層の努力と忍耐を持って辛抱強く立ち向かい、勇気を持って前に進むことを教えられます。
そしてまた、誠実さと友情が人間関係を豊かにします。知己や愛する人のために、自分を犠牲にすることもあるでしょう。しかし、その決断が最終的に幸福へと繋がることもあるのです。
物語の中で描かれる登場人物たちの姿勢や行動から、人との関わりや愛情を大切にし、困難に立ち向かう勇気、困難を乗り越える力を汲み取ることができるでしょう。
この物語から受け取るメッセージは、人生は簡単な道のりではないということです。
人生は試練の連続かもしれませんが、その中で成長し、他者との繋がりを大切にすることが大切なのです。
「鶴唳華亭」から受けた教訓、忍耐と都力、そして情愛の力によって光が与えられます。
誰しもが自分の現況を万全とは思っていないはず、何かしらの悩み・苦境・心労とストレスを抱えて生きているのではないでしょうか。
それでも忍耐と都力! 頑張って人生を歩き、素晴らしい未来を手に入れましょう。
「鶴唳華亭」まとめ
はい、涙なくして見ることができませんでした。「鶴唳華亭」は泣ける物語というのが魅力の一つなんですね。
「支え合えず、忘れぬことも出来ぬ。ならば共に沈んでしまおう」こう言った蕭定権の言葉が忘れられません。実らぬ恋愛経験のある方なら共感して、つい泣けてしまうでしょう。
物語の舞台は5世紀頃の中国・南北朝時代の斉(南斉)のようですが、衣装などを見ると、歴史を少し下った宋の時代の雰囲気です?? でも物語が素敵だったから、時代背景のずれなどは全く気になりませんね。
英題の「royal-nirvana」は、ちょっと意味を解しえません。高貴な悟り、高尚にして至福の結末でThe End、といったところでしょうか。

★それでは、またお会いしましょう。Good Luck!