こんにちは、皆さん!「JIN-仁-」は、現代と幕末の時代が交錯する壮大なタイムスリップドラマです。約150年前の江戸・幕末の頃は、医療の知識も技術も設備においても現代には遠く及ばないない中、医師・南方仁がどのように現代医学の知恵を活かして人々を救おうと努力してゆくのか、その過程が描かれます。
動乱の世の中、助け合う人々の絆、医療活動、命の尊さ、そして時空を越えた愛の姿が、私たちの心を熱く揺さぶります。
タイムスリップというSF的要素と、人間ドラマが見事に融合した本作、今回は「JIN-仁-」を通して描かれる重要なテーマと感動、そして仁が陥った時空の超自然現象ワームホールやタイムパラドックスについても考察してみたいと思います。
「JIN-仁-」予備情報
「JIN-仁-」は、村上もとかの漫画を原作としたテレビドラマです。TBSで、パート1が2009年10月~12月にかけて11話、パート2(完結編)が2011年4月~6月にかけて11話が放送されました。
物語は、現代の医師が江戸時代にタイムスリップし現代医学の知識を生かして人助けをする感動的なストーリーです。作品はもとより、スタッフ・キャストも国内外の様々な賞を多数受賞しています!
【スタッフ】
演出:平川雄一朗・山室大輔・川嶋龍太郎・中井芳彦・那須田淳
脚本:森下佳子
原作:村上もとか「JIN-仁-」
音楽:高見優・長岡成貢
〈主題歌〉
パート1「逢いたくていま」MISIA
パート2「いとしき日々よ」平井堅
【キャスト】
南方 仁 役:大沢たかお
橘 咲 役:綾瀬はるか
野 風 役:中谷美紀
坂本龍馬 役:内野聖陽
橘恭太郎 役:小出恵介
佐分利祐輔役:桐谷健太
勝 海舟 役:小日向文世
緒方洪庵 役:武田鉄矢
「JIN-仁-」ざっくりあらすじ

〈パート1〉
脳外科医、南方仁はある日、救急で運ばれてきた身元不明の男性の手術をします。手術は無事終えたのですが、その患者が逃げ出してしまい、仁が捕まえようと非常階段でもみ合ううち転落してしまいます。
気がつくとそこは竹林の中、斬り合いをする武士たちに巻き込まれた仁は、橘恭太郎に助けられますが、恭太郎は仁をかばい瀕死の重傷を負ってしまいます。しかし仁の的確な処置で何とか命を取り留めます。
そんな縁で橘家に世話になることになった仁は、江戸時代にタイムスリップしてしまったことを認識し現代に戻ろうと模索しますが、その方法が見つかりません。
その頃、江戸ではコロリという死の伝染病が流行っていました。緒方洪庵の西洋医学所では恭太郎を救った奇跡的な医術が話題となり、洪庵はコロリの治療法を乞うべく橘家を訪れます。
周囲の人たちが次々に感染し苦しむのを目の当たりにした仁は、当時の江戸にはない点滴治療を施すべく腐心し、皆と共に全力でコロリの治療に当たります。
恭太郎の妹・咲は、そんな仁の医療や人柄に興味を持ち惹かれてゆきます。コロリとの死闘を終えた仁は咲に、自分は未来からやってきた人間だと明かし、戻れないならこの江戸で懸命に生きていくと告げます。
仁は手術した患者、坂本龍馬と再会し誘われて吉原へ行くのですが、そんな仁の前に、運命のいたずらか、仁の婚約者・未来とそっくりの花魁・野風と出会います。野風の頼みで、仁は吉原に巣くう梅毒治療に挑み、様々な困難を乗り越えて、ついに特効薬ペニシリンの開発を可能にするのでした。
仁は歴史上の人物の治療や手術を行い、神がかりのような仁の医術が大きな話題になる一方、仁を支持してくれた洪庵が亡くなり、江戸の大火という惨事を体験し、そうこうするうち、仁は倒幕という時代の流れに巻き込まれてゆきます。
〈パート2・完結編〉
仁は自らの知識をもって医師として生きるべく努力を続けています。江戸でも京都でも多くの歴史上の人物に出会い治療を行いました。そんな中、野風がフランス人と国際結婚するとの手紙が届き、仁と咲は婚礼に出席するため横浜へ向かいます。その後、野風には女の子が生まれ安寿(アンジュ)と名付けられます。
幕末の不穏な情勢にある世の中、仁は歴史のパラドックスを懸念しながらも、坂本龍馬の暗殺を阻止すべく動いたのですが、しかし、やはり歴史の流れを変えることはできず、龍馬は亡くなってしまいます。
徳川の臣である恭太郎は武士として死ぬという覚悟を決めていましたが、兄を追いかけた咲は戦場で流れ弾に当たり、その後、感染症で命の危機にさらされます。
仁は咲を助けるべく、タイムスリップした時にポケットに入れてあった抗生剤のことを思い出し懸命に探し始めます。官軍に追われ傷つきながらも必至で記憶を辿り、錦糸堀の崖まで来たところで転落してしまいます。
気が付いた時はベッドの上、仁は現代の錦糸公園に倒れ込んでいたところを、救急患者として運ばれていたのでした。
現代に戻った仁でしたが、周囲の状況は以前とは少し異なっていました。過去の事情を辿ろうと、橘家があった辺りに出向くと「橘医院」とあるのを見つけ、そこで野風にそっくりな女医・未来に出会います。数代前に医院を開業し、生涯独身を通したという橘咲について聞くことができました。仁は、咲が野風や養女・安寿と共に写った写真を見せられ感動に胸が震えます。
帰り際、咲が生前遺したという仁宛の手紙を受け取ります。そこには仁を慕い恋しく思っていた咲の心が連綿と綴られ、仁は「私も、お慕いしていました」と涙が止まりません・・
「JIN-仁-」見どころ・感じどころ

◆医師として人として奮闘する仁の姿
幕末の江戸にタイムスリップした仁は、薬も器具も設備も無い中、現代医療の知識を生かし、命を救うために手術や治療に奮闘します。感染症・コレラの治療に当たっては壮絶な様相を呈しながらも何とか克服し、立ち上げた医院・仁友堂に集う仲間たちの支えで様々な困難を乗り越え医療活動を続けてゆきます。幕末の戦闘では傷つき苦しむ多くの人々を救おうと必死の姿があり、患者に心を痛める彼の実直さに胸が熱くなります。
◆よく知る歴史上の人物が続々登場!
劇中、幕末の時代を実際に生きた偉人たちが、仁との絡みで次々と登場し、SF仮想ドラマをよりリアリティーに演出しています。
江戸で再会した坂本龍馬を筆頭に、医師で蘭学者の緒方洪庵、勝海舟、京では、新選組、近藤勇・西郷隆盛・中岡慎太郎・佐久間象山、そして脚気に苦しむ皇女和宮まで、歴史上の人物が続々出演。面白いですね!
◆時代を超えた愛と感動のストーリー
タイムスリップし江戸の事情に不案内な仁を支え続ける咲、仁は咲にプロポーズするも、しかし、仁の事情を知る咲は、仁の元居た世界へ戻れるものなら戻ることを勧め、自らは仁に感化された人助けの医術の道を選ぶのでした。
やがて咲の前から、仁はその跡形もなく消えてしまうのですが、咲の想いは手紙に託され、時を超え仁の手元に届くのです・・
また、仁は吉原の遊郭で婚約者とそっくりの花魁・野風と出会い驚きます。国際結婚し幸せに生きたいと願う野風の命を救い、出産を助けます。後に現代へ戻った仁は、その野風の子孫に巡り合うことに・・
現代へ戻ることができた仁は、彼女たちの足跡を訪ねゆき橘医院に辿り着きます。咲が残したという手紙から、当時の咲の想いや状況を理解し、咲や野風との縁が当時から現代まで繋がっていたということに感動し涙が止まりません・・
「JIN-仁-」時空のワームホール

ドラマ「JIN-仁-」は、タイムスリップという科学的な概念を基に描かれた物語ですが、タイムスリップは現実的にはまだ未知の領域、証明されている事例がありません。しかしとても興味深いテーマですよね!
時空のワームホール
ワームホールは、時空をつなぐ理論的なタイムトンネルのようなもの。これを使えば、宇宙の異なる地点間を短時間で移動できる可能性があると考えられています。例えば、遠く離れた銀河間を移動する際、通常なら何百万年もかかるところを、ワームホールを通れば瞬時に移動できるといったもの。ワームホールはあくまで理論上の話であり、実際にワームホールが存在するかどうかは未だ確認されていません。
浅学菲才の私の感覚では、大地震や大規模災害で急激な気圧・気温の変化に伴い地球の磁場にも影響が及び、部分的に空間の歪みが生まれるのでは?なんて思ってます。実際にそんな危機的状態の中で起こったという不思議な出来事がいくつも報告されているので。虚々実々、ほとんどは勘違いや眉唾物かもしれませんが・・
時空を超える虚・実
ワームホールのような存在、また魂の幽体離脱などで意識が過去と行き来したという話は世界中に存在しますが、虚実含めて、科学的にどうなんでしょうか?
ワームホールについては、理論物理学の分野で研究されており、アインシュタインの一般相対性理論に基づき、時空をつなぐトンネルのような構造が存在する可能性が示唆されています。ただし、これを実際に観測したり、利用したりする技術はまだ存在していません。
幽体離脱現象による「過去と行き来する意識」も非常に興味深いテーマです。幽体離脱は、科学的には脳の働きによる錯覚や感覚の変化と説明され、臨死体験や睡眠麻痺などの現象が幽体離脱と関連している可能性も指摘されていますが、現時点ではまだ多くの謎が残されているようです。
「過去と行き来する意識」が「魂の存在」を示しているかどうかは科学的に証明されてはいませんが、人間を含めミクロにマクロに、宇宙構造についての理解を深める重要な考察であり、手掛かりではないかと思うのです。
実際に意識(魂)が離れた場所や過去に戻り、その場所、その時の状況が正しく伝えられたという調査・研究の事例は枚挙にいとまがないのですから・・
タイムパラドックス
タイムパラドックスとは、時空間移動(タイムトラベル)が可能になった場合に生じる矛盾や論理的な問題を指します。例えば、過去に戻って自分の祖父母に出会わなかったり、何らかの形で彼らの結婚を妨げたりすると、自分が生まれることがなくなり、結果としてタイムトラベル自体が成立しなくなる、という「祖父殺しのパラドックス」が有名です。
タイムパラドックスは、因果関係(原因と結果)の矛盾を引き起こすため、物理学や哲学において大きな議論の対象となっています。過去に介入することは現在や未来の出来事を大きく変えてしまう可能性があるのです。
劇中、タイムスリップした仁はタイムパラドックスを意識しながらも、歴史上死ぬはずの坂本龍馬の命を救うべく奮闘します。しかし一方、本来は死ぬはずだった人を治すことで歴史や未来を変えてしまうのではないか、誰かを助ければ、代わりに誰かが死ぬか、あるいは生まれなくなるのではないか、というような倫理的問題に苦悩する仁の姿がよく描かれています。
◆ ◆ ◆
現実の科学では、タイムトラベルやタイムパラドックスはまだ理論の域を出ていませんが、こうしたテーマはSF作品や哲学的議論で頻繁に取り上げられ、私たちの想像力を刺激します。
未知の領域について考えることは、私たちの夢を拡げることでもあり、何かにつけ素晴らしい発想・発明を生み出すインスピレーションにもつながるものとなるでしょう。
「JIN-仁-」まとめ
はい、幕末にタイムスリップした医師の物語、医療活動は壮絶、また、完結編のラストは愛の告白に切なくて泣けてしまいました。
本作はSFの要素を含む医療ドラマ、ヒューマンドラマ、そして時代劇でもありラブストーリーもあり、お腹いっぱい楽しめて泣ける物語でした。
困難な状況にあっても、人と人との信頼や協力が生み出す力は素晴らしい、そして人を想い助けようとする気持ちの美しさ、ドラマ「JIN-仁-」からは、どんな時代にあっても一生懸命に生きることの大切さが伝わってくるようです。

★それでは、またお会いしましょう。Good Luck!