こんにちは、皆さん! 韓ドラ「夫婦の世界」は、単にありがちな不倫ドラマだと思ったら大間違い。浮気をきっかけとして巻き起こる、人間関係の変化や複雑な人間感情をドラマチック&リアルに描き出しており、深いテーマ性を持った作品です。
主役のソヌと夫のテオとの間に繰り広げられる激しい愛憎と復讐の物語、壮絶な感情の葛藤、そしてサスペンス要素も含み、一度見始めると感応するように引き込まれてしまいます。
注目は主人公のキム・ヒエが演じるソヌと最低な迷走男テオを演じるパク・ヘジュンの圧倒的な演技、最後まで目が離せません。
本記事では「夫婦の世界」のあらすじ、見どころ、そして作品からどんなことを汲み取り、人生の糧とするか、そんなことを考えてみました。それでは、韓ドラ「夫婦の世界」の奥深い世界を振り返ってみましょう。
「夫婦の世界」予備情報
「夫婦の世界」は、2020年に韓国JTBCで放送された全16話のテレビドラマです。最高視聴率30%超えと、非地上波チャンネルで歴代最高視聴率第1位となった不倫・復讐劇で、過激な描写から賛否両論の話題を巻き起こしました。
※イギリスBBCの大ヒットドラマ「女医フォスター」をリメイクした韓国版です。
【スタッフ】
脚本:カン・ウンギョン
演出:モ・ワンジ
【キャスト】
チ・ソヌ役(妻):キム・ヒエ
イ・テオ役(夫):パク・ヘジュン
ヨ・ダギョン役(不倫相手):ハン・ソヒ
「夫婦の世界」ざっくりあらすじ
病院の副院長を務める女医のソヌ、映画製作を仕事とする愛する夫や息子と共に幸せな日々を過ごしていました。
ある日のこと、夫テオのマフラーに自分のものではない長い髪の毛を見つけ、疑心暗鬼になり調べてみると、テオが資産家の娘ダギョンと不倫をしていることが判明します。
やがてダギョンの妊娠が発覚し、テオは彼女からソヌとの離婚を迫られます。

テオとダギョンの不倫現場を目撃したソヌは弁護士に相談、調査の結果、テオは何年も前から借金を重ね会社は破産寸前であることが分かり、テオの背信行為にソヌはついに離婚を決意します。
一人息子ジュニョンの親権で言い争う二人、ついに修羅場と化し激怒するテオはソヌに怪我を負わせたことで離婚が成立、テオは会社も財産も差し押さえられ無一文となり、ダギョンと共にコサンの町から姿を消します。
◆ ◆ ◆
それから2年が経ち、ある映画がヒットし成功したテオはダギョンと共にコサンに舞い戻り、息子のジュニョンを取り戻そうと画策します。
テオはソヌを恨みながらも反面、ストーカーのようにソヌをかまい、ダギョンとテオの間には少しずつ溝ができ始めます。テオは人を使いソヌを追い詰めようと裏で動いていましたが、その人が駅ビルから転落死し、テオが容疑者として警察に連行されますが、ソヌは噓のアリバイをついてテオをかばい、結果事件は自殺ということで片付けられます。
両親の離婚に傷付き、問題行動を起こすようになっていたジュニョン、ダギョンはそこにつけこみ、転落死事件で母親の悪い噂が流れ、母親のためとジュニョンに吹き込み、父親の家で暮らすよう促しジュニョンを母親ソヌから引き離します。
ソヌはジュニョンのためにコサンを離れる決意をし、息子の荷物を取りにくるようテオを自宅へ呼びます。憎み合っていた二人でしたが、その裏には愛情がくすぶっていたかのように一時の感情で二人は抱き合ってしまいます。
◆ ◆ ◆
ジュニョンを手放し仕事に身が入らず、自分の存在意義を見失ったソヌは辞職し、一人海へ行き自殺をも考えます。
一方、心ならずもテオの家に引き取られ暮らすジュニョンは、誤解されたことで傷付き、耐えきれずソヌに「迎えに来て」と泣きながら電話をかけます。ソヌは息子を連れ戻し、二人でコサンの町を去ってゆくのでした。
その後、いつまでたっても心情的にソヌと切れないテオに、ダギョンはついにテオを見放す決断をします。後ろ盾を失ったテオは会社を解雇され、全財産を失い放り出され落ちぶれてしまいます。
そんな折、「ジュニョンは連れて行く」というテオのメモが残され、万が一の不安を感じたソヌが慌てて駆けつけるとジュニョンは無事でしたが、テオは、以前のように家族で暮らしたいと泣きながら言うのです。
呆れて立ち去ろうとするソヌたちの前で、テオはなんとトラックの前に飛び出しました。思わずテオに駆け寄り抱きしめるソヌを見て、またまた混乱してしまったジュニョンは、その場を離れ、自分の居場所を失ったかのように、それきり消息を絶ってしまいます。
それから1年後。テオとは別々の生活を送り、息子の帰りを待ちわびるソヌ、果たしてジュニョンは戻ってくるのでしょうか・・
「夫婦の世界」見どころ・感じどころ

本作品は単なる不倫ドラマではなく、結婚や離婚、幸せとは何かを考えさせられる熱量の高い作品として多くの視聴者を引き付けました。
◆刺激的!予測不能の展開にはまる
本作は刺激的な内容と、不倫による夫婦のドロドロ喧嘩闘争が大きな見どころで、一部サスペンス要素も加わり、見始めたら止まらない予測不能の展開に嵌ること間違いありません。
いわゆる不倫ドラマなのですが、夫の浮気、離婚、親権の争奪、息子の非行、そして憎しみの裏に夫婦の情愛がくすぶっていたり、また仕事や友人関係における不信と、実に複雑な感情が濃密に描き出され、序盤からグイグイと引き込まれてゆきます。
夫の裏切りを受け入れ離婚に至っても尚続く、主人公ソヌの心理的変化に合わせ、怒り苦悩し、共感しながら身が入ってしまうドラマでした。
リアリティな世界がドラマチックに展開し、緊張感のあるシーンに不安要素を煽る音楽も効果的で、ハラハラ・ドキドキしながらも考えされられてしまう内容です。
◆あふれる個性と上手すぎる演技!
・妻ソヌを演じたキム・ヒエさん
50代でありながら美しく魅力溢れる女優さんです。
信頼していた夫の浮気を知ったソヌの苦悩、その果てに離婚するも、息子に執着する元夫が仕掛ける陰謀や策略に立ち向かう妻の意地が描かれます。
幸せいっぱいだったソヌが、苦悩と葛藤の中に陥り、変貌していくキム・ヒエの演技に注目。
・夫テオを演じるパク・ヘジュンさん
子供想いの父親ですが、浮気相手のダギョンとも妻ソヌとも別れたくないという自分勝手な男テオ。離婚しても息子を取り戻すため執拗にソヌを追い詰めるという許しがたい女性の敵。
しかも、終盤全てを失い、元妻ソヌの元に戻りたいと懇願するなどもっての外、救いようのないクズ男。その迷走ぶりは駄々っ子に見えたりもするのですが、演技が上手すぎて、パク・ヘジュン=テオ=クズ男のように評価されてしまうのは困りものですね。
・不倫相手ダギョンを演じたハン・ソヒさん
テオでなくとも惑わされてしまいそう、魅惑的でとても美しい女性です。
この他、両親の離婚に傷つき悩み苦しむ息子のジュニョンやソヌの理解者Dr.キム先生たちも助演としてストーリーの雰囲気を盛り上げています。
「夫婦の世界」から汲み取る人生哲学

本作は、夫婦の複雑な感情がリアルに描き出され、夫婦・愛憎・離婚・家族・許し、といった人生の重要なテーマが私たちに投げかけられます。
◆夫婦とは?
夫婦の関係は、単なる法律的な結びつきではなく、二人の人間が共に人生を歩むための深い絆です。本ドラマでは、夫婦の関係が様々な局面で試される筋書きとなっています。
情愛、信頼、尊重、理解、思いやりなどは夫婦関係を良好に保つための必須条件ですが、何らかのきっかけでこれらが欠けた場合、時に葛藤や困難、迷いが生じることがあります。
しかし、それを乗り越えることで得られる互いの絆は以前より強固なものになり、またそこには人間的な成長もあるはずです。
夫婦とは、二人で共に築き上げる世界、お互いに助け合い支え合いながら人生を歩くために一緒にいるのです。足りない部分は補い合い、一人より二人なら、苦しみは半減し、喜びは倍増する、そんな関係がより良き夫婦の形と言えるでしょう。
愛とは?
「愛」は目には見えず、手で触れることもできないもの。しかし、人間の意志や行動を伴うことによって愛が様々な形で表現され、その有り様を心や魂レベルで感じることができるのです。
ドラマ「夫婦の世界」では、登場人物たちの多様な愛の形が描かれています。恋愛、家族愛、友情といった愛の形が描かれ、それぞれの愛がどのように人々の人生に影響を与えるかが示されます。
愛とは相手を思いやり、尊重し、自他ともに互いの幸せを願うこと、愛の無い人生は虚しいものです。時には自己犠牲を伴う愛もあるでしょうが、それはきっと深い意味と価値を持っているはずです。愛とは? 自らに置き換え、改めて考えてみたいと思います。
許すとは?
許すことは、過去に傷つけられた痛みや裏切りによる憎しみや悲しみを乗り越え、新たな未来を築くための大切な精神行動です。
本ドラマ「夫婦の世界」では、裏切りや誤解が生じた際、許すことの難しさと重要性が示されています。特に離婚に至ってしまった場合は、子供の立場を考えると、許しはさらなる複雑さを持ってきます。
子供たちにとって、親の離婚は精神的に大きなショックです。そんな状況の中でも、両親が互いに許し合い協力することができれば、子供たちに安心感・安定感とをもたらし、少しでもダメージを軽減することが可能でしょう。
許しは、家族それぞれが新たな人生のスタートを切るための第一歩なのです。
◆ ◆ ◆
ドラマ「夫婦の世界」からは、夫婦関係における複雑な愛憎、家族の絆、離別による新たな人生、そしてまた許すことの重要性など、貴重な人生の学びを得ることができるのではないでしょうか。
「夫婦の世界」まとめ
はい、ドラマチックでありながら現実的なストーリー、ある意味凄まじい不倫ドラマですが、テーマ性を含む質の高い作品と言えます。
第1話から引き込まれ、回を重ねるごとに怒涛の展開、最後まで先の読めない緊張感の連続でした。
主人公チ・ソヌの夫への愛と未練、迷い、葛藤、奥深い夫婦の世界が感じられ、改めて夫婦や家族、また友人の存在を考えるきっかけとなるようなドラマでした。
人生の流れは自分の選択によって変わり、選択によっては何が起こるか分かりません。人間は感情に左右されてしまうこともあり、選んだ道が正解とも限りません。良かれと思った道も、半分は予測不能な展開もあり得るということでしょう。より良き未来のために興味深い本作品を学びの一つに・・

★それでは、またお会いしましょう。Good Luck!