こんにちは、みなさん!今回は韓ドラ「天気が良ければ会いにゆきます」についてお話しします。本作は都会の喧騒から離れた美しい田舎町を舞台に、主人公たちの心の成長と愛情が描かれます。
過去のトラウマを抱えた二人、チェロ奏者のヘウォンと小さな書店を営むウンソプ。二人が再会し、共に過ごす時間の中で心の傷が癒されていく様子に、静かな感動が呼び起こされます。
このドラマは、日常の中の小さな幸せや、季節の移ろいと共に変わる繊細な心の風景が丁寧に描かれ、まるで詩のように流れる物語に引き込まれてしまいます。
抒情的な雰囲気のポスターの「春のようなあなたに出会った」という言葉がぴったりフィットするストーリーの魅力を感じてみましょう。
「天気が良ければ会いにゆきます」予備情報
「天気が良ければ会いにゆきます」は、2020年、韓国Jtbcで放送された全16話のテレビドラマ。時が静かに流れていく町プクヒョンリの田舎町で小さな本屋を営む青年と、元同級生で初恋の人との純愛を描いたヒーリングラブストーリーです。
【スタッフ】
監督:ハン・ジスン
脚本:ハン・ガラム
原作:イ・ドウ著「天気がよければ訪ねていきます」
【キャスト】
ソ・ガンジュン(華政・第3の魅力~終わらない恋の始まり)
パク・ミニョン(キム秘書はいったい、なぜ?)
「天気が良ければ会いにゆきます」ざっくりあらすじ
ソウルの音楽教室でチェロを教えていたヘウォンは、都会の暮らしに疲れ、田舎町のプクヒョンリでペンションを営む叔母の所でしばらく過ごすことにしました。
近所に住んでいた老夫婦の古い家が小さな本屋に変わっていることに気づき訪れてみると、その店は高校時代の同級生ウンソプが営んでいるものでした。
久しぶりに再会した二人、彼にとってヘウォンは初恋の人、ウンソプは故郷へと戻ったヘウォンにときめき、ヘウォンもウンソプとの思い出に心を巡らせます。

たいした客も来ない本屋では、時折本好きの仲間が読書会で集まり小さな楽しみを分かち合っていました。そうした村の人々と交流するうちヘウォンは元気を取り戻し、寡黙で温かいウンソプとの距離も縮まってゆきます。
そんな中、開催された同窓会の夜、ヘウォンはウンソプに愛の告白をします。しかし、突然告白されて動揺したウンソプはつれない一言を発しただけでした。
ある日突然ウンソプが姿を消してしまいます。ヘウォンはウンソプの行方を捜し山の中で彼を見つけますが、ウンソプは心を閉ざしヘウォンに本心を明かしません。気まずい雰囲気のまま山のてっぺんまで登り、眼下の美しい景色に気持ちが洗われたように二人は素直に初キスを・・
今でこそ養子として優しい家族に囲まれるウンソプですが、幼い頃母親が家出し、山で暮らす父親に育てられたというウンソプの過去を知り、彼の山ごもり行動にヘウォンは共感を覚えます。ヘウォンは突然起きた事件で両親を失いずっと苦しんできました。ヘウォンもウンソプも長い間、心に傷を抱えていたのです。
ウンソプを慕うヘウォンの親友ボヨン、そしてまたヘウォンに好意を持つヨンウの存在も絡みながら、過去の事件の真相が浮きあがってきます。不治の病を抱えながら10年もの間、真実を打ち明ける事も出来ず苦しんできた叔母ミョンヨの苦しみを知ったヘウォン、衝撃の事実が明らかになります。
やがて、月日は流れ春がやってきます。春になったら帰ると言っていたヘウォン。一冬の間静かに燃えた恋でしたが、謙虚で思いやり深いウンソプはヘウォンとの別れを心に決めていました。
それぞれの人生を歩みだしたウンソプとヘウォンでしたが、しかし、二人には再びつながる余韻が・・居心地のいい場所はあなたが居るところと・・
「天気が良ければ会いにゆきます」見どころ・感じどころ

過去に傷を抱えた二人が再会しゆったりと静かに育まれる純愛ラブロマンスドラマですが、その裏には、過去の殺人事件が絡み、後半のサイドストーリーには衝撃的な結末も潜んでいます。
◆ヒーリングラブロマンス
田舎の古くて小さな本屋、ウンソプが淹れるハンドドリップコーヒーの香りが感性をくすぐります。お客さんが来るのを待つでもなし、のんびりとコーヒーを味わいながら時間が過ぎてゆく・・最後までお客さんらしい人は現れませんでしたが・・
ゆったりと流れる時間、そんな中、ヘウォンとウンソプの恋の物語はゆっくりと温まりながら上昇してゆきます。BGMもそんなイメージにピッタリの優しいサウンド。
ストーリーは過去の映像を振り返りながら、ゆっくりと展開してゆくので、癒しを求める人にはお勧めです。
◆秘密の日記ブログに感銘
ウンソプが自分の本音を綴る秘密の日記ブログに心惹かれます。ある時は詩のような言葉を、ある時はまた人生の歩き方を語るように、ストーリーに深みが与えられ感銘を受けます。
「自分が自分としてしっかり生きれば、そこが自分自身の空間となる、自分が存在する場所こそが自分の居場所なのだ」
ウンソプの書店で開かれる「読書会」では、読書を通じて人と人との温かいつながりがあり、小さな幸せメッセージを感じることができます。
◆ナイスキャスティング
寡黙な男性主人公ウンソプを演じたソ・ガンジュンさん。セリフが本当に少ない分、表情や目での演技が光っていましたね。何かあっても飄々と落ち着いていて、優しく静かに受け止めることができる人、謙虚で誠実、常に受け身、繊細でウブなキャラクターが実に自然体で魅力的でした。
悲劇的な環境の中で育った女性主人公へウォンを演じたパク・ミニョンさん。このドラマでは、寡黙で地味なウンソプと対照的な恋愛相手として、雪景色や田園の自然の風景を背景に、相変わらず美しく可愛く映え、心の傷を秘めながらも花が咲いたように色味のある叙情感を演出してくれました。
「天気が良ければ会いにゆきます」癒しの物語

誰かの小さな一言に傷ついたことはありませんか?
誰かの小さな一言に救われたことはありますか?
記憶の中に残る痛み
二人の主人公それぞれの心の傷は子供の頃に家族から受けたもので、それはトラウマとなって容易に消すことも捨てることもできず、愛情の裏の苦しみとして記憶に残っているものでした。
ウンソプは、母親が幼い自分を置いたまま家を出たため、世捨て人のように山の中で暮らす父親に育てられました。父親亡き後、不憫に思った現在の両親が養子に迎え愛情いっぱいに育てられたのですが、ウンソプは恩を忘れずとも、そこは自分の居場所ではないような感覚があったのです。
一方、ヘウォンは、父親のDVに苦しむ母親が事故で夫を殺してしまうという悲劇に見舞われ、親友にも裏切られ、母親への憤りを抱えたまま辛い青春時代を過ごしました。共に暮らす叔母は事件について何も語らず、なぜか人生を諦めたように病の治療も放棄してしまいます。
ウンソプもヘウォンも叔母も、そして人は誰でも記憶の中に残る痛みがいつか消え去る時が来ることを待ち望んでいます。
心の傷は時間にさらす
例え小さな感情の傷であっても、それが何年たっても記憶から消えずに残っていることは往々にしてあるものす。ましてや、強烈に刻まれた負の感情なら、それを抱えたまま生き続けるこみとを余儀なくされるのが人間です。そのため、何かのきっかけで思い出すと、嫌な気持ちになり、誰彼かまわず怒りが湧いてしまうこともあります。
本作「天気がよければ会いにゆきます」は、自分自身が囚われていた過去の出来事を解きほぐし、解放に導く心の物語でもありました。暗中模索だった真相に関わる人々の心を救ったのは時間でした。
あの時は当事者の感情が高ぶり周囲のことを考える余裕もなかったはず、しかし、数十年という時間を経たことで、あの時の事情や状況、感情を客観的に見るとができるようになり、広い視野で当時の出来事を振り返ることがでるようになったのです。
時間にさらすことによって生まれる理解の時、それはトラウマの消滅の時であり、記憶から傷の痛みが氷解する時なのです。
居心地のいい自分の居場所
「天気がよければ会いにゆきます」とごく普通で平凡なタイトル、癒し系との添え書きに惹かれて見ることに。見終わって納得しました。幸せとは感じるのは、居心地の良い場所や居心地の良い状態にいることなんですね。物語やウンソプの本音を綴るブログからそれが伝わってきました。
人生は自分の居場所を探す旅、居心地の良い場所を見つけたなら、そこにはきっと幸せもあるとこの物語は語っているようです。
家族でも仕事上の人間関係にしても、人によって居心地の良い場所は異なりますので、周りの人の居心地の良さも思いやりながら、自分も幸せを見つけられる道を探したいものです。
「天気が良ければ会いにゆきます」まとめ
はい、韓国のベストセラー小説を原作とした本ドラマ、田舎町の自然な風景を背景に、温かさと感性あふれるヒーリングラブストーリーでした。
本好きが集まる読書会やら、日記ブログに綴られる想いの丈も印象的。視聴率はあまり高くないようですが、温かくとても素敵な物語でした。
時間がゆったり流れるストーリー展開で刺激的とは言えないため、見る人によっては好みが分かれるかもしれませんが、私にはとても好印象のドラマでした。
抒情的な雰囲気のポスターの「春のようなあなたに出会った」というコピーにとても惹かれます・・癒されたい人にお勧め。

それでは、またお会いしましょう。Good Luck!