こんにちは、皆さん! 日本列島を襲う台風や地震など、都市災害は私たちの生活につきものであり、その恐怖は決して軽視できるものではありません。不安と不確実性、そんな過酷な状況下で人命救助に奮闘するレスキューの姿は、勇気と決断の象徴とも言えるものでしょう。
「252 生存者あり」では直面する危機に立ち向かうハイパーレスキューの活躍に心を打たれます。
本記事では、改めてレスキューの活動を見つめ、自然災害に果敢に立ち向かう彼らの姿勢から多くの示唆と勇気を受け取りたいと思います。
「252 生存者あり」予備情報
「252 生存者あり」は、2008年公開のパニック映画。ドラマ「海猿」の原案者小森陽一さんの手による脚本で、大規模な台風が東京を襲い、災害が発生した際のハイパーレスキューの救助活動をリアルに描いた感動の物語です。
【スタッフ】
監督:水田伸生 脚本:小森陽一
【キャスト】
伊藤英明 内野聖陽 山田孝之 香椎由宇 山本太郎 MINJI
西村雅彦 木村祐一 温水洋一 大森絢音
【テーマ曲】
音楽:岩代太郎 主題歌:MINJI「LOVE ALIVE」
「252 生存者あり」ざっくりあらすじ
9月某日、小笠原沖で震度5の地震が発生、東京にも影響が及びました。
追い打ちをかけるように数日後、史上最大規模の巨大台風が発生するのです。
その日、車のディーラー篠原祐司(元ハイパーレスキュー隊員)は家族と待ち合わせをしていました。今日は耳の不自由な娘しおりの7歳の誕生日、プレゼントを購入した祐司は、待ち合わせ場所へ向かっていました。
ところが、急に空が暗雲に覆われたかと思うと、突如、大きな雹が降り始め、辺りはたちまち逃げ惑う人々で騒然となります。巨大台風により、海では大きな津波が押し寄せ、都心はあっという間に津波に襲われてしまいます。
地下鉄新橋駅にいた妻の由美と娘のしおりはこのパニックに巻き込まれ、二人はぐれてしまいます。祐司は由美からの電話で新橋に急ぎ、ホームで怯える娘の姿を見つけます。しかしその時、濁流と化した海水がトンネルを襲ったのです。
水流の渦に新橋駅は崩落、祐司はしおりと共に地下に閉じ込められてしまいます。
有事の際の予備電源で明かりは入っていますが。地下鉄の出入り口は瓦礫で塞がり脱出は不可能と思われました。
他にも何人かが、研修医の重村、経営者の藤井、韓国人ホステスのスミンらが地下に取り残されていました。
祐司は、ハイパーレスキュー隊長の兄・静馬が救出に来ると信じて“2・5・2”と繰り返し壁を叩き始めます。それは「252=生存者あり」のサインでした。
その間、負傷していたスミンは輸血の必要に迫られ、新たな崩落によってしおりは瓦礫に飲み込まれてしまいます。
地上ではハイパーレスキューが懸命の救助作業を続けていましたが、捜索は難航、そこへ巨大台風の上陸が迫ってきます。
二次災害の危機が高まり、指揮官である隊長の静馬と副隊長の宮内は、部下の命を守るため苦渋の決断をし、捜索打ち切りを決定します。
その時、音響探査機が「2・5・2」と繰り返される地下からの信号をキャッチしたのです。
静馬は全ての責任は自分が負うと断言し、レスキュー隊の出動に号令をかけました。
暴風雨を突いて開始される決死の救出作戦。暴風雨が鎮まる台風の目に入るわずかな時間を狙って作戦が実行されます。
果たして、命がけの救出作戦は成功するのでしょうか?全員無事に脱出できるのでしょうか?・・
「252 生存者あり」ハイパーレスキューの活躍
ハイパーレスキュー(特別高度救助隊)は、字の通り、特別に組織された消防救助機動部隊で、高度な訓練を受けた救助の精鋭部隊です。全国の政令指定都市を中心に配置され、大規模災害に対応しています。
◆「252 生存者あり」改めて知るハイパーレスキュー
2009年のTBSドラマ「RESCUE〜特別高度救助隊」で、横浜市消防局の特別高度救助部隊スーパーレンジャー(SR)の存在を知った方も多いのではないでしょうか。
毎年のように豪雨や地震による自然災害が多発生し、近くは能登半島地震、この先には南海トラフ巨大地震や首都直下地震、富士山噴火などの発生が危惧されています。ハイパーレスキューの必要性がますます高まってきていますね。
ハイパーレスキューの装備・機器またが凄い! 生存者に空気を送ったり瓦礫の中の状況をモニターで確認できるファイバースコープ(画像探索機)、赤外線で温度計測し生存者の居場所を特定したりする熱画像直視装置、二酸化炭素探査装置、電磁波人命探査装置、水中探査装置、マイクで生存者と対話もできる地中音響探知機、地震警報器など、他にも科学薬品検査や細菌検査のための機器・装置の備えも。
ちなみに、映画では地中音響探知機が252信号を捉えました。
現場での救助活動は命がけ。隊員同士の信頼関係がとても大切となるのでしょうね。現場活動はマニュアル通りにはいかないもの。想定外のことも往々にして起こることが考えられます。
最前線に立つ救助隊員それぞれが、観察眼を持ち、要救助者の緊急度と重症度を判断しなければなりません。
経験も必要ですが、いざという時はこう!と状況に応じて適正な戦術を選択し、決断し、実践する強靭な意志も必要な時があるでしょう。
隊員の方々は日々の厳しい訓練を経て、責任感と使命感で救命という尊い仕事をしているのですね。頭が下がります。頑張ってください!
◆「252 生存者あり」で知った遭難信号
遭難信号と言えば「SOS」。遭難した船舶や航空機が緊急事態を知らせ救助を求めるために発する信号ですね。
SOSはどんな語句の頭文字かと調べてみましたが、何のことはない、特別な意味はありませんでした。単にモールス信号を打電しやすい符号の組み合わせということでした。
Save Our Ship=私たちの船を助けて、かと思ったのですが・・
「252」は何だろうと探ってみると、直接的な「生存者あり」ということではないようです。
東京消防庁の消防無線の通話コードで、「要救助者」「逃げ遅れ」などを意味します。会話の内容をマスコミなど部外者に曲解されるのを避けたり、指示の簡略化のため用いられるものです。
大きな災害現場で、彼らは252を受け早急に救助を待つ人々のもとへ駆けつけます。一人でも多くの「生存者」を願って。
★航空パニック映画の「メーデー、メーデー!」
これはフランス語由来の「緊急事態、助けて!」
◆「252 生存者あり」映画の賛否両論
映画「252 生存者あり」は、ハイパーレスキューが都市災害に立ち向かう姿を描いた感動的な作品です。しかし、この作品には賛否両論が存在します。
一部の視聴者からは、時間的に矛盾があるとか、技術的な側面に問題があるといった批判的な声も挙がっています。そのような指摘は、作品をよりリアルに感じたいという気持ちから来るものかもしれません。
また、予告編や宣伝の影響で過剰な期待を持ちすぎて、そのギャップに期待外れとなってしまったのかもしれません。
個々の感性や主観が反映され、様々な観点から評価がなされることはあって良いと思います。
しかし、映画はフィクションであり、臨場感や緊張感を強調するためには演出においてあれこれ工夫が必要となります。これは人の創造活動の一つであり、観る者の意識に訴えようとする本能の現れでもあるでしょう。
そうした中で、作品の魅力や意図をより深く理解することができるのではないでしょうか。
「252 生存者あり」宿命の災害列島、安全な地域はどこ?
日本には大きな川が約3万本、中小合わせれば無数の川が網目状に流れ、低い土地に町が広がるという様相になっています。大雨による水害は日本列島の宿命とも言えます。
人々は浸水リスクを承知でそこに住み続けています。何故か? そこに職場があり、畑があり、学校があり、そして便利で快適なライフラインが整っているからでしょうね。
災害大国日本、安全な地域はどこ?
地震、津波、高潮、土砂災害、火山災害などから逃れられない災害大国日本。どこへ住んでも自然災害が無い所などないでしょう。しかし自然災害が比較的少ない地域を見つけることは可能だと思います。
気象データや地盤の安定性などから比較的自然災害が少ないとされている、東京・大阪・福井・山梨・栃木などですが、本当にそうでしょうか。実際は、軽め~中程度の災害は起こっているのであり、当面、壊滅的な災害リスクの可能性は低い、といったところではないかと察しています。
他にも災害に強いとされる滋賀県・佐賀県・香川県ですが、こちらも??です。現在は何事もなく平穏でも、今後発生リスクが高いと予想されている南海トラフ地震、関東直下地震、富士山噴火を考える時、自分の居住地の安全と無事を祈らざるをえません。
安全な場所はあるのでしょうか?
どこに住めば無事生き延びることが出来るでしょうか?
【原発災害】3.11の記憶は未だ消えず、まだまだ傷跡が残る原発災害、多くの人々が羅災し、住む家住む土地を追われ非常な困難を強いられました。廃炉までの道のりは遠くこの先30~40年以上を要するとのこと。原発の近辺に住むことは避けたいところです。
【火山噴火】活火山は日本中にあり、小規模な活動はあるものの、破局噴火と呼ばれる超巨大噴火はめったに起こりません。それにそうした火山には常時監視の目が向けられています。が、それでも稀に、以下のように火山噴火は起こっており、その都度多くの死傷者が出ています。
過去の火山噴火(抜粋):平成年代には雲仙岳・御嶽山が噴火、火砕流や噴石・火山弾による死亡者多数。昭和年代には三宅島・阿蘇山等、大正年代には桜島、十勝岳、明治年代には磐梯山で村落が埋没、伊豆鳥島で全島民125人死亡。
【 台 風 】台風は頻繁に襲ってきますが、南の方からゆっくりやってきて、その大きさや風速、雨量の予測もでき、前もって対処することが可能です。しかし中には、高潮や竜巻、土砂崩れ、そして河川の氾濫といった広範囲の被害に及ぶこともあるので油断できません。
【 地 震 】怖いのは地震です。大きな地震を引き起こす活断層は日本中に点在しています。地震はいつ、どこで、突然起こるか分かりません。極めて予想がしにくいのです。
しかも、家屋の倒壊に留まらず、派生する火災や津波により町ごと壊滅的なダメージを受けてしまうこともあります。発見されていない活断層もあり、今後予測しない場所で起こる可能性もあるのです。
結局安全な所とは? 私たちにできること、やっておくこと
このような状況から考えると、安全な場所とは、大規模災害に会いにくい地域と考えざるを得ません。過去に津波や河川の氾濫の被害を受けていない地域が望ましい居住地ということになるのでしょう。
そうなると、景色の良い海辺や便利な町中でも川のある所には住みたくない、住めないということになってしまいます。
しかし、これはあり得ない話ですよね。それぞれがそこに生業があり、想い入れがありますから・・
だったら、しっかりと防災対策を練っておくことが肝要です!できれば耐震住宅、常日頃から水や食料を備蓄、ハザードマップや避難地域の確認も。それから、お年寄りや障害者など近隣の避難しにくい方々への声かけや支援も!
温暖化や異常気象が続く未来、私たちは家族や自身の命を守るためにも防災意識を高め行動したいものです!
災害地域を避けて暮らす政策と葛藤
最近災害の多い自治体では「逆線引き」という取り組みが進められています。
「逆線引き」とは、土砂災害のリスクが高い地域や山の斜面に作られた住宅地などに、人が居住しないようにする取り組みです。
逆線引き計画は安全なまちづくりのための防災の一手ですが、実際住んでいる住人にとっては悩ましい問題です。
「景色がいい、長く住んで気に入っているのに」「先祖から受け継いだ土地だから」「資産価値が減ってしまう」など、さまざまな理由で移転に反対の声があがります。
個々の心情はよく理解できますが、住人の協力は不可欠、さて、どうしたもんでしょう・・
★私はリタイヤ後の転居先として、第一にその地域の災害の歴史を調べました。過去は特別な被害は無くきれいなものでしたが、かといって、未来に何が起こるかは分かりません。防災準備はしっかりと怠りなく!
「252 生存者あり」まとめ
はい、台風による高潮・津波、そして人命救助にあたるハイパーレスキューの活躍、極めて現実的に起こり得る緊迫した物語でした。
改めて、地元で活躍するレスキュー隊員の方々や、また併せて身近な救急隊員の方々のご苦労を知ることになり「ご苦労様、ありがとう」と言いたいです(お世話になったことがあるので)。
毎年どこかで起こっている地震、台風、津波、土砂崩れ被害。これが災害列島日本の現状です。
「今までこうした自然災害に会っていない、自分の所は大丈夫」という方々も油断大敵。くれぐれも防災意識を高め、日頃の備えを怠りなく・・
★それでは、またお会いしましょう。Good Luck!