「ダンテズ・ピーク」緊迫の火山噴火災害を体感!

ダンテズピークタイトル

こんにちは、皆さん!「ダンテズ・ピーク」は、火山噴火の恐怖とその警告を描いたパニック映画の傑作です。
火山学者ハリー・ダルトン(ピアース・ブロスナン)が、休火山ダンテズ・ピークの異常を察知し、町の人々に避難を呼びかけるのですが、平和ボケした住民たちの認識は鈍いものでした。
しかしその災害はすぐに現実のものとなり、命の危険にさらされた時、自然災害の脅威と人間の無力さを痛感させられます。

この映画は、火山噴火の認識と恐怖を通じて、私たちがどのように警告を受け入れ、対処するべきかを考えさせられる作品です。また、登場人物たちの人間模様や、危機に直面したときの行動から、多くの教訓を汲み取ることができます。
「ダンテズ・ピーク」を通じて、自然災害の恐怖とその対策について、共に考え、共有していきましょう。

目次

「ダンテズ・ピーク」ミニ情報

「ダンテズ・ピーク」は、1997年アメリカで制作された火山噴火の災害パニック映画です。英題はDante’s Peak。アメリカのワシントン州にある大型活火山セント・ヘレンズ山の大噴火(1980年)を元に制作された作品で、思いもよらぬ火山噴火の脅威に右往左往する町や住民の様子が描かれます。

【スタッフ】

監督:ロジャー・ドナルドソン(スピーシーズ/種の起源)
脚本:レスリー・ボーエン

【キャスト】

火山学者ハリー・ドルトン役:ピアース・ブロスナン(007シリーズ)
町長レイチェル・ワンド 役:リンダ・ハミルトン(ターミネーター)

★YouTube「ダンテズ・ピーク」Pickup

「ダンテズ・ピーク」ざっくりあらすじ

火山地質学者のハリーは、火山観測所からダンテズ・ピークで群発地震が起きているとの連絡を受け、調査のため麓の町を訪れました。
ダンテズ・ピークは有名雑誌で「人口 20,000人以下で全米で最も住みやすい街」の一つに選ばれ、式典が催され町中お祭り騒ぎのように湧いていました。

調査を進めて行くうちに、ハリーは火山の噴火が近いことを確信し、早急に避難するよう訴えますが、町長や町民はその危険性を意識せず全く鈍感なのでした。

湖

なんとかレイチェル・ワンド町長を説得し協力を取り付けるのですが、既に噴火の兆候は起き始めていたのです。
火口湖水の酸性度の数値が高く湖周辺の木々が枯れ、山麓の温泉は沸騰し、リスや男女の遺体が全身大火傷で絶命していました。

緊急会議が開かれ、ハリーは緊急避難警告の発令を求めるのですが、町や企業の重役たちは経済的な観点から難色を示します。
しかしその夜、町の給水所は硫黄の臭いに満ち、各家の水道からは茶褐色の水が流れ出ることに。
翌日、住民説明会が開かれた矢先、大音響と共に地が揺れた。慌てて外に出て見上げるとダンテズ・ピークは噴火、山の頂きからは噴煙が上がっていたのです。

住人たちはパニックとなり逃げ惑います。ハリーはレイチェルと共に、彼女の義母と子供たちを救うべく山の中腹に住む義母の家に向かいます。
五人は合流するのですが、襲い来る溶岩、強く酸性化した湖水に溶け出し沈み始めるボート、命からがら麓まで降りてくるのですが、既に住人も州兵も退去した後。

ハリーはNASAの発信機を車に積み込み脱出しようとしますが、山は更に大爆発し火砕流が発生、凄まじい勢いで森を飲み込みながらハリーたちへ迫ってきます。間一髪のところで廃坑に車を突っ込み奇跡的に命は助かりましたが、入り口は瓦礫にふさがり閉じ込められてしまいました。

さて、どうなるのでしょう・・そうそう、ここでNASAの発信機ですね。スイッチを入れることに成功し、全員無事に救出されることになりそうです。

「ダンテズ・ピーク」見どころ・感じどころ

湖

長期間休火山として何事もなく過ごしてきた平和な山麓の町を「ダンテズ・ピーク」を突然襲った異変。最後まで目が離せないノンストップストーリーです。

◆SFX・VFXによるリアリティ映像!

SFXは撮影の現場で実際に施工される特殊効果、VFXは撮影後に編集で加工される視覚的な効果のことですね。

近年はこうしたCG技術がかなり高度化され、今では凄い映像が制作されますが、2000年以前の本作でも、火山噴火の緊迫感はかなりのリアル映像に仕上がっています。

溶岩や噴煙、火砕流が建物を飲み込んでいくシーン、災害直後の町の有様など、恐ろしい悪夢の光景がじっとしていられないほどのリアリティで迫ってきます。

◆避難すべきか否か?右往左往の人間模様

近年地震や津波が多発し、その度に速やかな避難の重要性を痛感させられます。
しかし、休火山噴火の予測となると、兆候はあっても、それは可能性であって、実際の噴火は数ヶ月後かもしれないし、数十年、数百年後かもしれません。
従って予測も予報も難しく、避難については政治・経済的な観点から、町としては不確実な情報で騒ぐな動くなと言いたいのはもっともなことでしょう。

噴火が起きたらそれこそ大変な事態なのですが、起こらなくても大変な打撃を受けてしまいますから。話題だけで風評被害による観光客の激減、住人の流出も増え、経済が停滞してしまいます。
それでも、噴火の兆候を捉えたハリーたちは火山学者の立場から早急に避難するよう人々を急かすのですが・・

◆火山噴火を扱ったディザスター映画

【ボルケーノ】1997年・アメリカの映画
舞台はカリフォルニア、大都市の中心部で発生した火山噴火、襲い来る溶岩流に立ち向かう人々を描いたパニック映画。出演:トミー・リー・ジョーンズ他。

【ポンペイ】2014年・アメリカの映画
紀元79年、突如ヴェスヴィオ火山が大噴火しポンペイは炎に飲み込まれる。ローマ軍に蹂躙されたケルト人の奴隷で剣闘士のマイロは恋人と共に脱出を図るのだが・・

【ボルケーノ・パーク】2019年・中国の映画
孤島のリゾート天火島で火山のテーマパークがオープン。観測チームが噴火の前兆を捉えるも遅く、火山弾が降り、溶岩が迫る来るパニックアクション。

【白頭山大噴火】2021年・韓国の映画
北朝鮮と中国の国境付近にある白頭山が突然の大噴火。朝鮮半島の非核化や政治がらみのディザスターパニックアクション。出演:イ・ビョンホン他。

【フライト・クルー】2016年・ロシアの映画
洋上の火山島が突然大噴火!空を覆う黒炎や襲い来るや溶岩流、島民を救出すぺく救助隊フライト・クルーが島へ向かう。大脱出アクションスペクタクル。

「ダンテズ・ピーク」に見る火山噴火災害の教訓

火山噴火

「ダンテズ・ピーク」は、1980年に発生したアメリカのセント・ヘレンズ山の噴火がモデルになっているとされます。また、1985年には、コロンビア・アンデス山脈中の活火山が大噴火し、犠牲者が2万人を超える甚大な災害が起こりました。
では、日本列島における火山噴火災害は、どんな状況にあるのでしょうか?

気象庁のページによると、日本列島には北海道から沖縄まで、海底火山も含み111の活火山があるとされます。
活火山とは「おおむね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動がある火山」と定義されています。
活火山周辺の住人や登山者は、噴火リスクに備え日頃から噴火警戒レベルを意識するよう心掛けることが大切です。噴火警戒レベルとは気象庁が発表する指標で、火山の活動状況に応じて必要な防災対応や警戒範囲を示すものとして、以下の5段階に分けられ、火山毎に常時発表されています。

レベル1・・活火山であることに留意(噴煙あるものの火山活動静穏)
レベル2・・火口周辺規制(噴火発生または噴火発生が予想される)
レベル3・・入山規制(居住地への影響がある噴火発生・予想)
レベル4・・高齢者等避難(居住地へ被害を及ぼす噴火発生・予想)
レベル5・・避難(居住地へ被害を及ぼす噴火発生・切迫した状況)

864年・貞観の大噴火
富士山の噴火で、山梨県と静岡県に甚大な被害。この時の溶岩流で生成されたのが「青木ヶ原樹海」。
1663年・有珠山の噴火
北海道の有珠山が噴火し、周辺地域に大きな災害を及ぼした。
1707年・富士山の宝永噴火
今から300年程前の江戸時代中期に発生、江戸の町にも火山灰が降ったという大噴火。
1783年・天明の大噴火
浅間山の噴火で、火山灰や溶岩流が広範囲に渡り甚大な被害。
1792年・普賢岳の噴火
雲仙岳の火山性地震、岩屑なだれ、山崩れ、津波が重なり約15,000人が死亡。
1888(明治21)年・磐梯山の噴火
岩屑なだれにより村落が埋没し約470人が犠牲に。
明治時代には、安達太良山伊豆鳥島でも噴火が起こり、鳥島では全島民125人が死亡。
1926(大正15)年・十勝岳の噴火
融雪型火山泥流により144人が犠牲に。
大正時代には、十勝岳の他、桜島でも噴火。
1940(昭和15)年・三宅島の噴火
火山弾・溶岩流などにより11人が犠牲に。
昭和時代には、阿蘇山も噴火し12人が犠牲に。明神礁の海底火山噴火で観測船が遭難し全員殉職。
1991(平成3)年・雲仙岳の噴火
火砕流により43人が死亡または不明。
2014(平成26)年・御嶽山の噴火
噴石等により63人が死亡または不明。

!! 8月26日は「火山防災の日」!!

8月26日は「火山防災の日」です。令和5年に活動火山対策特別措置法の一部が改正され本年4月に施行されました。

通常は静穏な活火山。しかし、ある時突然に・・それがいつ何時か分からないというのが厄介なしろもの・・牙を向き怒り狂うように火山弾を飛ばし、火砕流を吐き、噴煙で空を覆う、更には溶岩で周囲の生態系を跡形もなく燃やし尽くす恐ろしい災害です。
本作「ダンテズ・ピーク」でも、住みやすい町が壊滅に至って終わりました。火山噴火という危機には素早く対応しなければならないことを教訓として学びましたね。

技術の進歩により感度の良い専門機器による観測が行われ、火山噴火の予知に大分貢献しているように思われます。が、まだ記憶に新しい御嶽山の噴火などは、突然のことで多数の犠牲者が発生してしまいました。
いかに精巧な機器であっても自然の異変をキャッチしきれない場合もあることを思い知らされます。

では、危険な兆候を捉えた場合、どのように行動すべきか? 逃げるか、留まるか、判断するのは自分自身です。人間にも危機を察知する第六感があるはずです。本作「ダンテズ・ピーク」も危機回避の眠れる第六感を呼び覚ますきっかけの一つになったのではないでしょうか。

「ダンテズ・ピーク」まとめ

はい、かなりのリアリティーで火山の怒りと人間の勇気を見て取ることができました。本映画から火山災害の恐怖や警告、認識の大切さを受け取ることがでましたね。
「ダンテズ・ピーク」は、リアルな災害シーンと経済優先の人間ドラマ両面が描かれた災害パニック映画の秀作と言えるでしょう。

近年、毎年のように自然災害に見舞われ被害を被っている日本。ですが、それにしても、不要不急の外出ならいざ知らず、台風の来襲があるとの予報にもかかわらず、現地のハザードマップまで持参して旅行に出かける人の気がしれません・・
つい最近も東南海地震か?とニュースで騒がれたにもかかわらず何のその、南国土佐のよさこい祭りが盛大に催されましたね。ああ、私ごときが“何をか言わんや”です。

★それでは、またお会いしましょう。Good Luck!

本ブログはSWELLを使用しています
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この記事を書いた人

居所地:日本の中央山岳地域で田舎暮らし
映画・TVドラマ大好き人間
古代ロマン・スピリチュアル小説ファン
Pen name:東岳院展大
Blog nickname:福徳星人

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