韓流伝説のドラマ!「宮廷女官チャングムの誓い」を振り返る

「チャングムの誓い」アイキャッチ画像

こんにちは、皆さん!韓流ファンならずとも、「宮廷女官チャングムの誓い」は、誰もが聞いたことがあるのではないでしょうか。韓流の伝説的ドラマとして、世界中で大きな人気を集めた作品です。
李氏朝鮮時代の宮廷を舞台に、主人公チャングムが料理や医術への精進を通じて成長していく姿が描かれています。

本記事では、「宮廷女官チャングムの誓い」の魅力に迫りつつ、チャングムの人間模様や彼女が抱える困難、そして料理や医術への情熱が示すメッセージについて振り返ってみたいと思います。
韓流ドラマファンの方々にとっては懐かしい思い出となるでしょうし、まだ見たことのない方にとっても、新たな気づきを得ることがあるかもしれません。

目次

「宮廷女官チャングムの誓い」予備知識

「宮廷女官チャングムの誓い」は、韓国MBCにて2003年9月から放送された、全54話の時代劇ドラマで、放送直後から視聴率50%超えの驚異的な大ヒットとなり、アジア中でも超人気のテレビドラマとなった作品です。

物語は、主人公チャングムが数々の苦難を乗り越え、宮廷料理人として精進し、挫折以降は女医として活躍し、大長今(偉大なるチャングム)の称号を得るまでの波乱の人生が描かれます。

【スタッフ】
企画:チョ・チュンヒョン
脚本:キム・ヨンヒョン
監督・演出:イ・ビョンフン(宮廷女官チャングムの誓い・イサン・トンイ)

【キャスト】
ソ・チャングム役(主人公):イ・ヨンエ(西宮・真実のために・花火・パパ)
ミン・ジョンホ役(恋人):チ・ジニ(トンイ・ジュリエットの男・ラブレター)
チュンジョン役(国王):イム・ホ(ホジュン・オクニョ・善徳女王)
カン・ドック役(義父):イム・ヒョンシク(オールイン・ソドンヨ・イサン)
ハン・ペギョン役(上司・師):ヤン・ミギョン(王と私・太陽を抱く月)
チェ・ソングム役(上司):キョン・ミリ(チュモン・三姉妹)
イ・ヨンセン役(友人):パク・ウネ(新若草物語・復讐せよ)

★YouTube「宮廷女官チャングムの誓い」Pickup

「宮廷女官チャングムの誓い」ざっくりあらすじ

朝鮮王朝第10代、暴君と化した燕山君の粛清に巻き込まれ両親を亡くしたチャングムは、宮中の料理を担当していたカン・ドック夫婦に育てられます。

女官だった母の遺言を胸に秘めたチャングムは宮中に入ることを切望していました。そんな折、暴君に対抗するクーデターで新王となる中宗と、たまたま出会い、利発なチャングムは宮中入りを許されることになりました。

チャングムは亡き母の意志を次ぎ、厳しい宮中での生活に耐え抜いて、晴れて女官になることが許されます。
そしてかつて母の親友だった、ハン尚宮の元に配属され、二人は師弟関係を築いていきます。

チャングムは料理に精進する一方、人への思い入れが高じて問題を起こしてばかりいました。そんな彼女を密かに見守るのは、王様の警護をする内禁衛(ネグムィ)のミン・ジョンホ。女官が王様以外の男性を慕うことは許されず、チャングムは彼への好意を心の内に秘めるのでした。

そんな中、ハン尚宮はライバルチェ尚宮との最高位をかけた料理戦に勝ち、見事その地位を手に入れます。そしてまた、ハン尚宮は探し続けていた親友ミョンイの娘がチャングムであったことに気付き、二人の絆はより深く結ばれていきました。

しかしその後、チャングムとハン尚宮は、チェ尚宮の陰謀に嵌り流刑にされてしまいます。そしてその途中、力尽きたハン尚宮はチャングムの背で亡くなってしまい、チャングムは一人、流刑地である済州島へ送られることに。

失意のチャングムでしたが、その島でチョンドクという優れた医女に出会います。優れた医女なら身分が低くても宮中に入ることが許されるという話を聞き、チャングムは、もう一度宮中に戻るため、医術の勉強に打ち込む決心を固めます。

数年後、試験を通過したチャングムは修練生となり、その実力を認められ、宮中の内医院に入ることが許されます。しかし、かつて師と自分を陥れたチェ尚宮は女官長に出世していて、様々な手を使って、再びチャングムを宮中から追い出そうと画策を始めます。

一方、ハン尚宮の名誉回復を願うチャングムは、当時の濡れ衣を晴らすため奔走します。当時のことを知る証人も現れたことで、ついにチェ尚宮たちの悪行が暴かれることになりました。

チャングムは中宗王の信頼を得て主治医となるほど高位に上ったのでしたが、朝廷の大臣たちはこれを良しとせず、チャングムを弾劾しようとします。
さあ、いよいよラストに近づきます。どのような展開が待っているのでしょうか?

★主題歌「オナラ」は民族色が感じられる、かなり特徴的な
歌で耳に残り、一度聴いたら忘れられません。

「宮廷女官チャングムの誓い」感想と見どころ

「宮廷女官チャングムの誓い」は韓流ブームを生んだ歴史長編ドラマで、日本で何度も再放送され、今も尚愛され続けているドラマです。
本作品で扱うモチーフは料理と医術、これは今も昔も世界に共通する関心事です。現代においても料理と医療は「医食同源」の考え方に基づいており、従ってこの物語はどの国の人にとっても共感できる、波動と魅力を感じられる物語です。

◆ヒロインの圧倒的パワー

何といってもヒロイン、チャングムを演じるイ・ヨンエさんの愛らしさが印象的!当時は30歳を越えていたはずですが、10代の役でも十分可愛いらしさが感じられました。
チャングムの魅力はドラマの魅力そのもの!チャングムの強い意志と努力は圧倒的パワーを持って物語を牽引してゆきます。

厳しい修行や試練に立ち向かい、精進し成長していくチャングム、彼女の料理や医術の腕前は、人々から高く評価され、次第に自身の才能を開花させてゆく姿には感銘を受けます。

「宮廷女官チャングムの誓い」は、師弟愛、友情や裏切り、賞賛と弾圧、そして恋愛と、チャングムの胸に交錯する様々な感情に共感を覚え、心を強く揺さぶられる物語でした。

◆ヒロインを取り巻く助演の俳優さんの素晴らしさ

ヒロインをとりまく周りの人々、義父母や王様などベテランの俳優陣により、物語に厚み深みが加えられているようです。特に悪役を演じたキョン・ミリさんが素晴らしいと思いましたね。あの方無くては、このドラマがここまで盛り上がらなかったかもしれません。

ストーリーは厳しい身分制度のあった朝鮮時代、理不尽な事情でチャングムは弾圧されること度々です。毎エピソードが波瀾万丈、ハラハラドキドキの連続です。しかしまた、チャングムの利発さに驚かされもして、チャングムが次々と難題を克服してゆくストーリーにどんどん惹きつけられていきます。

◆気分は朝鮮時代へタイムスリップ

「宮廷女官チャングムの誓い」は、朝鮮時代の宮廷の生活や儀式、人々の暮らしぶりなど、韓国固有の文化や風習が詳しく描かれていて、歴史に興味のある私にはとても楽しめる作品でした。

このドラマの前半は、宮廷の料理を担う水刺間(スラッカン)が舞台なので、調理シーンもふんだんにあり、金・銀食器に色とりどりの料理が並べられます。またクルクルと忙しく働く女官たちの姿は、現代の大きなレストラン厨房と重なります。

そしてまた、カラフルで煌びやかな韓服が美しい一方、清楚で上品な韓服にも魅了されます。まるでタイムスリップしたかのように宮廷シーンへと誘い込まれます。

◆ロケ地を楽しもう!

「宮廷女官チャングムの誓い」は、宮廷文化、庶民生活、アクション、サスペンスなどの要素が織り込まれ、映像にはそれぞれ見せ場が盛り込まれています。

撮影地は「済州島民俗村博物館」で、また「大長今テーマパーク」(京畿道の楊州)で行われたようです。テーマパークは現在も時代劇制作に使用されている施設で、数十のオープンセットや小道具や・衣装の展示、衣装を着ての記念撮影コーナーなどもあり、韓流ファンなら一度は訪れてみたいテーマパークです。

「宮廷女官チャングムの誓い」時代背景を知ればもっと面白い!

◆主人公のチャングムは実在の人物?

主人公のチャングムは実在した人物とされています。史実としては「朝鮮王朝実録」の中に大長今(テジャングム)と呼ばれ、中宗(チュンジョン)王に主治医として重用された医女がいたことが記されていますが、生没年も不詳で、他に記載は無く謎に包まれた女性です。

厳しい身分制度の時代を生き抜いたその女性は、推測するに、きっと波乱万丈の人生ストーリーがあったに違いありません。「宮廷女官チャングムの誓い」は、脚本家のイマジネーション力が素晴らしい!と言えますね。

父母との縁はどんなものであったのか、どこで生まれ育ち、どのような経緯で女官となり、最終的に医女となり、最高位にまで上り詰めたのか? 本作品では、実録にある大長今という女性の人生が、史実と創作を織り交ぜスリリングに描き出されています。

◆「宮廷女官チャングムの誓い」の歴史的背景

そもそもチャングムが孤児となった背景には、歴史的な事情がありました。

中宗王の父親である9代王・成宗の妃ユン氏は他の側室へ危害を加えた疑いで廃妃となり、ついには賜薬を下され亡くなってしまいます。

しかし運命は奇なり。その後ユン氏の息子燕山君が即位し、母親の無念の死に関わった者たちへ報復を始めました。この事件を甲子士禍(カプチャサファ)と言い、ドラマではチャングムの父親が賜薬の現場に立ち会った武官として粛清されてしまうのです。母親も巻き込まれ死亡、かろうじてチャングムだけが生き残ります。

その後燕山君の暴政に堪えかねた臣下たちはクーデターを起こし、1504年、燕山君は失脚、異母弟の晋城大君(チンソンデグン)が中宗王となりました。

王になった中宗は、士林派の改革家、趙光祖(チョ・グァンジョ)をリーダーとして儒教の復興に力を注ぎました。しかし、従来の勲臣とその子孫からなる勲旧派の反発により、士林派は弾圧されてしまいます。

趙光祖は実在の人物で、ドラマでは、ミン・ジョンホ、ハン尚宮、チャングムたちは士林派の系統、重臣オギョモやチェ尚宮一族は勲旧派として描かれます。「宮廷女官チャングムの誓い」は、両派の権力闘争が繰り広げられる物語でもあったのです。

◆「宮廷女官チャングムの誓い」に登場する職位・職場

女 官

チャングムが属していた女官という地位は、なかなかもって大変な職場だったようです。

女官になるには、幼いうちから見習いとして宮廷に入り、何年も働きながら知識や教養を身に着け、試験に合格し、やっと一人前の女官と認められます。その後も年数を経て、ふさわしいとみなされたものだけに、高位の尚宮(サングン)という地位が与えられます。こうしてみると、女官は皆が優秀であり、忍耐強い人たちなのですね。プライドも高いはずです。
女官は全員が王の女と考えられていました。従って、他の男性との恋愛は禁止、王に見初められれば側室として出世することもありました。

チャングムがいた水刺間(スラッカン)は食事を作る所、また退膳門(テソンカン)は食事を配膳したり下げたりする所です。ドラマでは主に女性が働いているイメージですが、実際には宮廷料理師は男性がメインで、女性は補助役だったようです。

医 女

医女は宮廷内にある診療所、内医院(ネイウォン)に属し、薬や鍼灸などの修練を受けた後、男性医師の補助を勤めたり、女性の診察・治療を行っていました。

儒教を重んじた朝鮮、当時の宮廷では男性の医師が直接女性を診察することは禁じられており、女性が病にかかっても治療を受けることはなかなかに難しいことでした。それではいかん、ということで、第3代王・太宗(テジョン)の代に医女という職制が設けられました。
産婆を含め人の体に触れるのは卑しい仕事とされていたので、医女は大方が賤民・や奴婢階級から選ばれた者たちでした。

医女は女性皇族や女官たちを診察しますが、出自は奴婢であり、地位としては女官たちの方が上だったため、
医女の苦労はそれなりに大変だったのではと推察できます。

ドラマでは、陰謀で女官の位を剥奪され流刑となったチャングムが、宮中に戻る望みをかけ医女の修練に励み、艱難辛苦の末に、王に信頼され誉れ高き高位に上るという物語になっています。

◆朝鮮時代の身分格差と色彩の印象

朝鮮王朝時代は身分制度が厳しく定められていました。王族や両班(ヤンバン)と呼ばれる貴族階級が最上位に位置し、その次は文科や技術系官職にある中人、その下が商人や農民、手職人などの常民、そのした最下層に奴婢、白丁などの賤民という身分制度が敷かれていました。

上階層ヤンバンたちの衣服には高価な絹織物が使用され、地位や役職によって色彩も変わっています。王や王妃の着物は、刺繍なども施されより華麗なものに仕上げられます。王妃や高位の尚宮は三つ網を頭に巻いた髪型をしています。この髪形は高位の身分を現すものとなっています。

ドラマでよく見かける男性の翼のある被りものはカッと呼ばれ、カッから下がっている数珠のような飾りをカックンといいますが、カッの種類やカックンの素材で身分が分かったようです。

ドラマでは鮮やかな色彩の宮殿やカラフルな韓服が見られますが、当時の朝鮮には顔料や染料が無く、塗料や色布地は中国の商人から買い入れていたようです。色彩を施す技術がなかったので、逆に白磁の陶器が発展し、優れたものが生まれたのでしょう。

ヤンバンたちは高価で派手な色布の韓服を好み、装飾品も身につけますが、一方、庶民は高価なものは一切手に届かず、従って自然素材の布地をそのまま使用するため、男女とも白や暗い色合いの服装がほとんどで、簡素で地味であることが普通でした。

治世制度はもちろん、朝廷での階級や人民の身分制度、更には階級による服装までもが、厳しく定められていたようです。極端な格差社会に庶民はさぞ大変だったことでしょうね。ドラマで客観的にしか見ることはできませんが、当たらずとも遠からじ、当時の実態が推測されます。

◆現代でも重視される健康志向「医食同源」

「宮廷女官チャングムの誓い」では、鮮やかな宮廷料理がたくさん登場します。ドラマでも王様や皇太后を始め、明の使者の健康を気づかう健康的な料理が提供されています。

健康的な料理とは、五味(辛味・甘味・酸味・塩味・苦味)五色(青・赤・黄・白・黒)の食材を使用するバランスのとれた食を指します。こうした食生活は病気予防に役立ち、医食同源の考え方は韓国でも日本と同様、昔から伝えられているようです。

宮廷料理の代表格、参鶏湯(サムゲタン)は、鶏の腹に、もち米やにんにく、なつめ、高麗人参などを詰め込み丸ごと煮込んだもので、滋養強壮に効果がある韓国の薬膳料理です。夏バテや疲労回復、風の予防などに現在でもよく食されています。

「宮廷女官チャングムの誓い」からくみ取る人生哲学・心の糧

「宮廷女官チャングムの誓い」は、その感動的なストーリーと奥深い教訓が多くの人々に支持され、今でも多くの人々に愛されています。
本作品では朝鮮王朝時代を舞台に、両親と死に別れた少女チャングムが厳しい宮中で、強く気高く強く生き抜いてゆく姿が描かれます。

チャングムは、困難な状況に直面してもめげずに努力を重ね、信念を持ち続ける姿勢が健気であるとともに、その精神力の強さは、私たちに勇気や希望を与えてくれます。どんな状況でも諦めずに努力を続けることの大切さ、自分の信念を持ち続けることの重要性を教えられます。

また、チャングムが周囲の人々とのつながりを大切にする姿勢も素晴らしいと思います。チャングムは常に他の人を思いやり、助けることを忘れません。本作品では、謙虚さを持ち、他人のために尽くすことの大切さも伝えられています。

この物語を通じて、私たちは自身の人生においても、チャングムのように強く、優しい心根を見習うことができるでしょう。困難な状況に直面しても諦めずに努力を続け、持ち前の信念を持ち続けることで、成功への道が開けてゆくことが分かります。自己成長と、より豊かな人生を歩むためのヒントも見つけることができるかもしれません。

「宮廷女官チャングムの誓い」まとめ

はい、韓国歴史ドラマの金字塔「宮廷女官チャングムの誓い」、その魅力や朝鮮時代の文化を振り返りました。
本作品は、料理人として、医女として強く生き抜いた、宮廷女官のサクセスストーリーです。ちなみに私は、このドラマを視聴すること三回目ですが、見る度に新たな感動が甦ります。

「宮廷女官チャングムの誓い」は、初回の放送から20年たった今でも根強い人気を誇る、次の世代にも伝えられるべき素晴らしい作品だと思います。こうした韓国ドラマの感動を通じて、韓国と日本の円満な交流が広がることを期待したいものです。

★それでは、またお会いしましょう。Good Luck!

本ブログはSWELLを使用しています
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この記事を書いた人

居所地:日本の中央山岳地域で田舎暮らし
映画・TVドラマ大好き人間
古代ロマン・スピリチュアル小説ファン
Pen name:東岳院展大
Blog nickname:福徳星人

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