世界中に流れた哀愁のメロディー、名作「ひまわり」が魅せるウクライナの感動!

「ひまわり」アイキャッチ画像

こんにちわ、皆さん! ウクライナのニュースを見てイタリア映画「ひまわり」を思い出した方は多いのではないでしょうか。この名作は、戦争と恋愛を絡めた切ない物語です。「ひまわり」のロケ地として知られるウクライナは、現在戦争による悲劇の渦中にあります。実情を知れば、その悲哀はさらに深まることになるでしょうが・・本記事では、切なく美しい映画「ひまわり」の魅力とともに、背後にある現実と人々の平和への願いについて考えてみました。

目次

「ひまわり」予備知識

「ひまわり」は、1970年のイタリア映画。主演はソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ。監督はヴィットリオ・デ・シーカ氏、構想と準備に10年もの歳月をかけたといわれます。

テーマ音楽はヘンリー・マンシーニ。主題曲「愛のテーマ」は世界中でヒットした、あまりにも有名なメロディー、切なく美しい、誰でも一度は聞いたことがある曲だと思います。

戦争によって引き裂かれた夫婦、その後も焦燥とすれ違いの年月、悲哀に満ちたストーリーを印象的づけるように、画面いっぱいの異国のひまわり畑がざわめき胸を打ちます。

東西冷戦の時代、当時ウクライナはソ連領域のため、製作スタッフはソ連側との交渉にとても苦労したようです。当時の状況やモスクワ・ウクライナのロケ、また、時代考証ミスや撮影ミス、封切り前の政治的問題など、「ひまわり」についてまわるエピソードには枚挙のいとまがありません。詳細についてはウィキペディアなどをご覧いただき、予備知識を得て後、視聴いただければ、更に作品の意義や深みを味わうことができるでしょう。

日本での初公開は1970年9月でした。約50年後、ご存じのように2022年、ロケ地であるウクライナへロシアが侵攻してきました。この時期、反戦を示唆するように日本各地で「ひまわり」のチャリティー上映会が開催されました。
★YouTube「ひまわり」Pickup

「ひまわり」は今も尚多くの人に愛されている作品です。
本記事を書くにあたり、再び「ひまわり」を見る機会を得て
改めて戦争と平和を深く考えさせられます。

「ひまわり」ざっくりあらすじ

第二次大戦中のイタリア。陽気なナポリ娘ジョバンナと兵士アントニオは、ナポリの海岸で出会い恋に落ちます。
結婚式を挙げた2人は、幸せな新婚の日々を過ごしますが、しかし、アントニオはアフリカ戦線行きを控えていたのです。

アントニオは過酷なロシア戦線へ、別れを惜しむジョバンナとアントニオアントニオ。大勢の兵士を乗せて、汽車はミラノ中央駅を出発していきます。

やがて戦争が終わり、ジョバンナはひたすらアントニオの帰りを待ち続けていました。

そんなある日、ロシア戦線でアントニオと一緒だったという一人の兵士に出会い、アントニオは敗走中、極寒の雪原で倒れ、既に死んだのではないかと告げられました。

諦めきれないジョバンナは、遂に、アントニオを探しにソ連へ行くことを決意するのでした。

ジョバンナは写真を手に、アントニオの消息を尋ねてモスクワ、ウクライナをまわります。かつてイタリア軍が戦闘していたというウクライナの村、戦没者が眠るという広大なひまわり畑を訪れますが、手がかりを見つけることはできませんでした。

そんな時、戦後も祖国へは戻らずにロシア人として生活しているイタリア人男性の話を耳にします。もしやと、ジョバンナは微かな期待を抱き尋ねてみると・・

そこにはマーシャという若いロシア人女性と幼い女の子が暮らしていたのです。ジョバンナとマーシャはすぐにお互いの事情を察し合います。

仕事から帰る夫を迎えに行くというマーシャに連れられてジョバンナも駅に向かいます。

到着した汽車から降りてくる人たちの中に、果たしてアントニオの姿を見つけることはできるのでしょうか・・

クライマックスシーンの先には、苦悩と葛藤の日々が待ち受けます。二人の再会はどうなるのでしょうか・・

本当は全部語ってしまいたいのですが、ネタバレしては
がっかりでしょうから、余韻で止めておきますね。

「ひまわり」印象と想い

なんといっても、果てしなく咲き誇る、ウクライナのひまわり畑が印象的です。

ヘンリー・マンシーニの哀愁感こもるテーマ曲のメロディーにのせて、冒頭でもラストシーンでも、地平線のかなたまで広がるヒマワリの畑の映像が流れます。

ひまわり畑には無数の戦死者が埋まっていると伝えられています。明るすぎるひまわりの花が、返って悲しみと切なさを誘います。

★こんな動画が共有されています。
ウクライナのある中年の婦人が、やってきたロシア兵のポケットにひまわりの種を入れてこう言うのだ。「あなたが戦死してもここにひまわりの花が咲くでしょう」と。心理的抵抗の嫌味なのか、戦いで死ぬかもしれない兵士への哀れみなのか、婦人の心をはかり知ることはできません。

悲惨な戦争は人々の運命を狂わしてしまいます。温暖なイタリアから極寒のロシアへ行軍し、戦死した多くの人々。大地に広がるおびただしい十字架。皆がみな心に傷を受けながら、必死に生き抜いてイタリアに帰国できた人もいれば、帰国を諦めロシアに残る人もいたのです。

日本人も戦争で同じ体験をしました。大陸の戦地で命を落とした人、極寒のソ連に抑留された人、無事日本へ戻れた人、誰もが理不尽な現実の前に過酷な運命をたどらざるをえない一時代がありました。

ストーリーは古典的なメロドラマでもあり、しかし、愛と戦争、人生と普遍的なテーマを持っています。どうにもならない運命に引き裂かれ、歳月を越えての再会シーンは愛と情が入り混じる年齢的な哀愁も漂います。静かに、切なく、戦争の悲しさが伝わってくる名作です。

ヒマワリはウクライナの国花です。花言葉は
「あなただけを見つめる」「憧れ」。

「ひまわり」から汲み取る人生哲学・心の糧

私が最初に「ひまわり」を見たのは若い頃でした。あれから何年経ったでしょうか。アントニオを演じたマルチェロ・マストロヤンニは、1996年既に亡くなっていますし、ジョバンナ役のソフィア・ローレンは88才のバースデーを越えているようです。

当時日本にも反戦思想はそれなりに世相に根差していました。しかし、日本国内は高度経済成長時代で平和ボケするくらい平和でしたから、「ひまわり」は印象に残る映画ではありましたが、戦争の現実は実感として受け取ってはいなかったように思います。

名作映画「ひまわり」は、その美しいメロディーと共に世界中に広がりました。この作品からは、単なる芸術作品以上に、人間の複雑な深層心理を見出すことができます。

作品からは、戦争という悲劇に見舞われながらも、パートナーの命を信ずる強い気持ちを一縷の望みとして生き抜く、強い女性の姿を見ることができます。

抗えない運命に翻弄されつつも、希望を持ち続ける勇気、葛藤の末に諦める勇気、そして悲しみを乗り越え新しい人生を歩み出す・・こうした複雑な心境が、観る者に深い感動をもたらします。

「ひまわり」は、戦後に直面した人々の困惑や心情もよく描かれています。この映画を通じて、私たちは困難に立ち向かう勇気を学びます。

いったん挫折した人生の道を再び歩み始めるには、まず自分自身と真摯に向き合うことが重要です。自分の内なる声に耳を傾け、自分自身を振り返り、知ることで、自己肯定感や自己成長の道が拓かれていくのです。

絶望的な状況でも希望を抱くことの重要性を教えてくれます。困難な状況に直面しても、決して諦めずに前を向くことの大切さ、そして希望を持ち続けることで、困難を乗り越え新たな可能性が開けていくのです。

この独特の物語は、人間の絆や思いやりの尊さという面において、私たちの自己成長をも促してくれるものです。人々との繋がりを大切にし、助け合い、支え合い、そして相手の心情を思いやることで、平らかな人間関係を紡ぐことができるというものです。

名作「ひまわり」。その美しいメロディーと感動的なストーリーを体験し、大切な人生のメッセージを受け取ってください。

「ひまわり」まとめ ~平和への祈り~

はい、この映画は戦争で引き裂かれた夫婦の愛の物語であると同時に、人間の運命を暗転させてしまう戦争の恐ろしさを物語っています。

第二次世界大戦では多くの人々が苦しみを味わいました。なのに100年経たぬうちに、またまた同じ悲劇が起こってしまいました。いつまで同じ間違いを、国は、人は、繰り返すのでしょうか。一刻も早くウクライナに平和が訪れるよう願うばかりです。

ウクライナのひまわり畑には戦争の犠牲となった多くの死者たちが眠っているといいます。映画「ひまわり」を観た人は、また、これから観ようとする人も、ウクライナで撮影されたこのひまわり畑に込められた意味を心に刻み、平和への想いを新たに掲げましょう。

それでは、またお会いしましょう。Good Luck!

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この記事を書いた人

居所地:日本の中央山岳地域で田舎暮らし
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Pen name:東岳院展大
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